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長短
2008年 09月 01日
毎度ばかばかしい作文でゴキゲンをうかがいます。
鈴木ゆう子と申します。ほんの1000文字程度、お付き合いをいただきます。 1000文字なんて申しましても、ご存知ない方には、そりゃあいったい何文字だいってなもんで。 いや、何文字と聞かれれば、1000文字でございますと、もじもじしながらお答えするわけでございますが。 アナウンサーのトレーニングでは、1秒で5文字だそうですね。大昔、放送劇なんかを手がけたときには、「原稿用紙400文字二枚で三分」が一つの目安でございました。けれども、まあね、そこはそれ、調整なんぞは簡単なんでございますよ。 困ったときには、「………」って、ゴルゴ13みたいにね、しゃべらないで間をとっちまえばいい。効果音なんかフル活用して、時間を稼ぐわけでございますね。 そういや、そんなこと思いついて、実際に小説の中でやっちまった作家先生がいらっしゃいましたねぇ。 「………」 「………」 「………」 「………」 「………」 「………」 ……らちがあかないが、原稿量は稼げます。しかし、調子に乗ってこれ、放送劇でやると、放送事故扱いですね。 そういや、番号の号令ってのもありました。 「番号」 「1」 「2」 「3」 「4」 「5」 「元へ。声が小さいっ!もう一度!」 「はっ。1」 「2」 ……って、人物を出せば出すほど、原稿料が稼げるって算段。うまいこと考えましたよね。 ああ、実は物書き家業をやっている身上、一回やってみたかったんだ。これ。長年の夢が叶ったわ。 でも、話は全然先にすすみゃしないわけで。 読んでるほうは「てぇーいっ、まどろっこしいや、そんなのはぱらぱらぱらっとめくって、読んだことにしちまえばいいんだよっ」って、思いそうです。 読んだことにしたって意味はないわけですが、私なんかどうにもせっかちですから、なかなか進まない話はどうも苦手で。 まあ、私の書いたものを読んだからといって、どってことない。いっそ、読んだことにしちまって飛ばしたとしても、まったく問題がないってことが、一番大きな問題なんですがね。 しまった、そんなことを書いていたら、もうそろそろ話は佳境に入ってなきゃいけない頃合。いけねぇ、大切な落語に触れないで、終わっちまうじゃあないですか。 全く、気の長い枕で申し訳ございません。 抱き枕なんかは長いほうがこう、足をぎゅっとね、からめてはさみこんだりなんかして、心地がいいんですが、話の枕とアレばっかりは、うふふ、長すぎちゃっても短すぎちゃっても、いけません。特に殿方のアレは……アレ、たぁ「気」のことでこざいますがね。いや、もう今回、気の長い枕で、本当に。 噺は「長短」。 気の長いゆっくりペースの長さんと、気の短いせっかちな短七は幼馴染。今日も今日とて、長さんのしゃべりをきいて、焦れまくる短七。「けど、お前さんとあたしは、どーっか気が合う」と長さんに言われるまでもなく、短七はイライラしながらも長さんが大好きだ。そんな長さんの助言に、短七は……。 あらすじはいつも簡単すぎるほど簡単、せっかち短七モードで描ききると、こんな感じになります。きっちり落ちまで書いちまったら、つまんない。まあ、たいていの場合、「教えないほうがよかった」って気分ですわね。 じゃあココから何か別の話がくるかってぇと、私の性格はめいっぱい短七モードですから、ってやんでぃ、こちとら気がみじけぇんだ、文字が1000文字を越えたら、おしまいでぃ! ……しまった、この時間切れの結び大作戦は、「宮戸川」で使おうと思ってたんですが、もう出しちまった。短気は損気だねぇ。 まあ、何年後か、もう忘れられた頃に使えばいいか。あらら、今度は俄然、気の長い話になったもんで。 「長短」 いいですね。しみじみ、いいですよ。これはね、回数重ねるごとに、それぞれの噺家さんのしぐさのうまさやキャラクターの作り方がどんどん染みて来て、長短がかかると「やった!」と小さくガッツポーズですよ。 ああ、こうしちゃいられねぇや。寄席に行ってまいります。
by u-ko_suzuki
| 2008-09-01 08:34
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